冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜

「まあな、だけど気が変わったんだ」



「気が変わったって……。雫が青楓高校に行けなくなったから、考えを変えたって事?」



ズバリと言いなさる。出来立てのホヤホヤの傷口に、塩を塗る所業。
小春は良くも悪くも裏表の無い性格だ。



「別に雫の事は関係ない。実は前々から考えてた事だ。オレたちは高校生になれば大規模なライブ活動に入る。それなら校則が緩い北高の方が活動し易いと思っただけだ」



蓮は理論整然と言葉を紡ぐ。彼は本当に同年代かと疑うほどクールだ。


 
「それならもっと早くに言えばよかったじゃない。何で雫の結果を待ったりしたのよ! 蓮はアタシたちより雫を優先するって事でしょ。千夏とさやかもそれで納得出来るの!」



「ハルがどう捉えようがどうでもいい。オレは北高に行く。別に違う高校に行っても放課後ここで練習すればいいだけだ。それにさっき言っただろ、強制はしないって」



「っ……!」



小春は言いかけた言葉を飲み込んだ。



彼女もわたしと同じ蓮の幼馴染だ。何を言っても彼が考えを変える事は無いと早々に理解したのだろう。