冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜

ど、どういう事? 確かに蓮はわたしと同じ北高に行くって言ったよね?



内心をウキウキ、いや、ドキドキとさせるが平静を装う。



わたしは受験戦争の歯医者。敗者だね。まあ何だか歯も緊張で痛んできた気もするけど、そんな事を考えてる場合じゃない。



ここでわたしが取れる行動は限られている。口を閉じて待つ事だけだ。



黒目だけをキョロキョロとさせて残り女子三人の動向を注視する。



「ちょっと蓮! 何言ってるのよ! アンタが青楓高校に行くって言ったから、皆んな受験頑張ったんでしょ!」



案の定、小春が癇癪(かんしゃく)を起こした。



流石はボーカルだ。ハスキーな高音が狭いバックヤードにこだました。
彼女はバンドメンバーでは無く、ソロのシンガーソングライターとして活動している。