冴えない私の周りは主役級ばかり~雫の恋愛行進曲〜

 ……才能の違い。これは小春に限ったことでは無い。



ここに居るわたし以外の六人は各々が才能の塊であり、同世代でも突出した存在だ。



特にボーカルの月島 蓮(つきしま れん)は唯一無二の存在だ。



彼は中学一年の時に、一からバンドを創り、他のメンバーに楽器を教えた麒麟児だ。



彼の歌声は神からの過剰なギフトを賜っていると思えるほど人々を魅了する。



加えて挑戦的なロックに綴るメッセージ性の高い歌詞は男女問わず感情を引き出させるものなのだ。



彼らは動画配信を利用して、高校入学前にして世界的注目を浴びている。



それに引き換え、私と蓮の関係性は小春と同じ幼馴染。これだけだ。



学力、運動神経、ルックス、人望、全てを兼ね備えた彼は当然に人気者だ。
だが、私が彼に好意を寄せるのはそんなものでは無い。彼の一番の魅力は優しさなのだ。



小学校高学年の頃には薄々気づき出した。高校入学前の現在に至っては確信している。
自分と彼が不釣合いであるという事を。