秋の魔法




他の相談員さんと話をしながら魔法を解き、相談所のいすに座っていると相談所に僕の父が連行された様子で入って来た。その後ろには、僕の担任の先生が。

「…!」

僕と顔を合わせると、父は僕から顔を背ける。父はどうやら自分のしていた行いを認めているようだ。

「すぐに連絡して連れてくるように頼んだんだ」

そう言って相談員さんは微笑んだ。僕は無言で立ち上がり、相談員さんに頭を下げ、無言で先生に近寄った。

「…秋羽くん、ごめんね…気づいてあげられなくて」

先生に抱きしめられながらそう言われた。先輩以外の人の温かさに触れ、僕は2度目の涙を流した。

……なるほど。先輩の言っていたことってこういうことだったんだ。

僕は今まで溜め込んでいた感情が涙に乗って流れていき、少し軽くなる感覚を感じながら声を上げずに泣いた。

「ねぇ、秋羽くん。今日、俺の家に来ない?」

先生の問いかけに、僕は「え?」と固まった。先生は「秋羽くんに、普通の家庭を見せてあげたい」と僕の腕を優しく持つ。

「…はい」

僕はうなずいて先生の手を握った。