「くだらねえ理由で未桜のこと傷つけるんじゃねーよ。
俺が誰とどう付き合おうが、おまえらには一切関係ない」
「....っ」
明らかな線引き。
睨みながら低い声でそう告げる律くんに、矢野さん達は涙目になりながら去っていった。
そして、ホッとしたからなのか、ふにゃっと身体の力が抜けて地面に座り込んでしまった。
「もう、大丈夫だから」
やさしく頭を撫でてくれる律くんに、安心させるように微笑みかけてくれるみんな。
「あり、がとう.....っ」
───そのやさしさに、じんわりと胸が温かくなった
***
その後、念のためにと保健室に行こうと言ってくれた律くん。
保健室には、''教員不在''の札があったので、律くんに手当てしてもらうことになった。
「ん、これで大丈夫」
「ありがとう」
丁寧に手当てをしてくれた律くんにお礼を言うと、律くんは無人のベッドに腰かけた。



