無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる




いつもの可愛い湊くんとはかけ離れた姿に、少し驚いてしまう。


「あ、あたし達は桜雅くん達がこの女にたぶらかされてるって心配で.... !」


「そ、そうですっ!それに、私たちが蒼唯さんに何かしたって証拠なんて....」



〈あんたみたいなブサイクがそばにいると、桜雅くんの株が下がるってこと>


〈そ。桜雅くんたちはみーんなのモノだから〉


「....っ、え?」


由良くんのスマホで、再生された動画。


それは紛れもなく、先程の私と矢野さんとのやり取りで。


「な、なんで...っ、それ....!!」


矢野さん達は顔を真っ青にしながら、怯えたようにみんなを見つめる。


「コレ、先生たちに渡してあげよーか?集団暴行の証拠。....あ、SNSに流す方がいいかなぁ?」 


「ぼっ、暴行なんてしてない....っ」


「ハハッ、バカだなあ。こっちには証拠と目撃者がいるんだから、どうとでもなるんだよ」


怖いくらいの満面の笑みを浮かべる湊くんに、矢野さん達はグッと唇を噛みしめる。