「これ、貴方でしょ」
「....っそれ」
そこには、バイクにまたがって律くんの腰に腕を回す....私。
後ろ姿しか映っていないけど、見る人が見れば私だと分かるだろう。
や、やってしまった.....っ。
「隣のクラスの女子が撮ったんだって~~ソレ、結構拡散されてるよ?」
顔を青ざめる私に、クスッと意地悪く微笑む矢野さん。
「あ、あのー。それ私じゃ....」
「はぁ!?そんなわけない!こんな地味な格好してんのあんたくらいしかいないから」
す、鋭い....!
一応否定してみても、バサッと一刀両断されてしまう。
....こんな時ほど、自分の地味さを恨んだことはないよ。
目の前の三人となるべく目を合わせないように、キョロキョロと視線を動かしていると。
痺れを切らした様子の矢野さんに、冷たく睨まれた。
「あんたみたいなブサイクが近くにいると、桜雅くんたちの株が下がるってこと」
「そうそう。桜蕾の方たちは、みんなのモノなのにねえ」
「完璧なひとたちなの。根暗陰キャのあんたなんかが傍にいていい存在じゃないってことくらい分かれって」



