無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる




***


それから、数日が経ったお昼休み。



「未桜?どっかいくの?」


「あ、ちょっと用事があって」



不思議そうな顔をする悠莉に気づかないふりをして、私は教室を飛び出した。



そうして向かったのは、律くんたちがいる屋上──ではなく、人気が少ないところで有名な西練の裏庭。


「約束通り一人で来たみたいね」


ふっ、と、あまり向けられては嬉しくはない笑みを浮かべる女子生徒三人。

そのなかでも真ん中の女の子....がボスだろうか。


ミルクティーベースのセミロングに、バッチリメイク、適度に着崩された制服。


イマドキのJKという感じで、すごく美人さ
ん....!


その顔には見覚えがあり、記憶を辿らせてみると。


あっ、同じクラス(?)の....えーと、矢加部さん....じゃなくて矢野さん?


あとの二人も、同じグループの子だったような....?



入学して3ヶ月ほど経っているのにも関わらず、クラスメイトの名前も覚えてない私も怖いけど.....。