首を傾げれば、律くんは人差し指を自分の唇にのせて、''内緒''のポーズをする。
その仕草があまりにも色っぽくて、一瞬ドキっとしてしまった。
すると、律くんは私のノートになにかをサラサラと書きこんでいく。
なに?と、ノートを覗き混むと。
【今日の昼、弁当持って屋上】
っ....、え?
屋上という言葉にドキリとしながらも、返事を書く。
【でも、屋上って律くんたち以外立ち入り禁止なんじゃ....】
【別にそんなルールねえし。つーかそもそも、お前姫だろーが。未桜も桜蕾なんだよ】
私も、桜蕾....?
自分の存在が認められた気がして、受け入れてもらえた気がして。
────嬉しい、なあ
自然と緩む頬を手で押さえていると、律くんはやわらかく目を細めた。
「っ....、」
その表情が、あまりにも.....やさしくて。
目が離せなくなってしまう。



