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なんで、忘れていたんだろう。
「......、あほみお」
現在、一限目の数学の授業中───のはず
....なのに。
隣には、むっとした顔をしながら、私の三つ編みをくるくるといじる律くん。
....そうだよ、いろいろあってすっかり忘れていたけど。
「(律くんと席、隣だったんだあ....!)」
普通、こんなことをしていたら、先生に怒られてしまいそうだけど。
窓側の1番後ろという席だからか、先生の視界にあまり入らない....らしく、先生に見つかることもない。
周りのクラスメートも、黒板の番書をノートに写していたり、寝ていたりと様々。
学年首席という肩書きをもつ彼を注意しようと思うひとなど、いないのだ。
「りつくん、....は、はなしてよ」
これじゃ授業に集中できない....!
周りに聞こえないよう、ひそひそ声で呟くと。



