無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる




***


なんで、忘れていたんだろう。


「......、あほみお」



現在、一限目の数学の授業中───のはず



....なのに。


隣には、むっとした顔をしながら、私の三つ編みをくるくるといじる律くん。


....そうだよ、いろいろあってすっかり忘れていたけど。



「(律くんと席、隣だったんだあ....!)」



普通、こんなことをしていたら、先生に怒られてしまいそうだけど。


窓側の1番後ろという席だからか、先生の視界にあまり入らない....らしく、先生に見つかることもない。


周りのクラスメートも、黒板の番書をノートに写していたり、寝ていたりと様々。



学年首席という肩書きをもつ彼を注意しようと思うひとなど、いないのだ。



「りつくん、....は、はなしてよ」



これじゃ授業に集中できない....!


周りに聞こえないよう、ひそひそ声で呟くと。