え、ちょっとまってください.....。
カノジョ、って、あの彼女?......!?
「おうがくん、なに言ってるの.....!?」
意味を理解した瞬間、じわじわと頬が熱くなっていくのが桜雅くんのワイシャツ越しに伝わってくる。
あわてて離れようとするのに、腰に回った腕がそれを許してくれない。
「そーいう事だから。....おまえら、ちょっと道開けて」
その瞬間、ずささ~っと遠くなっていく足音と共に、ゆるんだ両腕からやっと解放される。
....も、なにがなんだかわからない.....っ。
そして、きわめつけは。
目の前の''彼ら''に見せつけるかのように、私の右手を取り自分の手に絡める。
それは世でいう''恋人繋ぎ''というもの。
「え、まじ.....?」
「りつさん、真面目系がタイプだったのか....」
~っ、もう、なんなの.....!
途端に騒がしくなる周りから逃げるように、近くにあった部屋に入る。
「桜雅くん、どういう事ですか!!」
ドアが閉まったことを確認したら、繋がれた右手に視線を向けた。
ぎゅう、とつよい力でで握られているそれは、私なんかが抵抗しても離れることはできないのはわかってる。
....から、せめてもの抵抗に、と下からにらみあげるように桜雅くんを見つめたら、桜雅くんもまた真っ直ぐと瞳を重ねてくるから。
綺麗な瞳だなあ、なんて、状況も忘れて見惚れてしまいそうになって、そんな自分に渇を入れる。
俺の彼女発言からの、あの行動。
絶対、誤解された....!



