「翔くんっ....!」
「っ、え。おれ....?」
桜蕾で下っ端しさんたちのまとめ役、矢橋翔くん。
以前、歓迎パーティーを開いてくれたなかのひとり。
....そういえば、色々と恥ずかしい質問されたなあ。
そのときのことを思い出していたら、無意識に笑みがこぼれた。
「....幹部の誰かに用事、とかですか?」
「えっと、律くんと約束をしてる....んだけど」
「え、桜雅さんと....!?」
びっくりしたような顔で、ぱちぱちと目をしばたかせる翔くん。
....もしかして、私のこと覚えてないかな。
1回会ってるんだけど....って、私のなかで翔くんはある意味忘れられないのだけど。
「律くん、中にいる?」
「....あ、ハイ。上の特別室にいる、とおもいます」
「そっか。ありがとう....!」
にこっと笑いかけて、翔くんからくるりと背を向けた....から───気づかなかった
「....いやいや、あのひと、誰?桜雅さんに用事って....っ。もしかして桜雅さん、あの超美人と浮気....!?」
青ざめた翔くんが、そんな''カンチガイ''をしていたなんて。



