ネイビーピンクのカジュアルワンピースと、アウターにはもこもこのホワイトボアジャケットを羽織って。
メイクは甘め、服装は大人っぽくというのが悠莉で言う''最高のギャップ''らしい。
「悠莉とショッピングモールで買った服だよね、これ....」
「クローゼットの奥底にあったよ」
「う、ごめんなさい....。あんまり、こういう服着ていく機会がなくて」
「わたしが未桜の素顔を知ってたらなあ、もっとはやく未桜を変身させてたのに~~」
「素顔ってほどでも....」
さっきから、悠莉はこればっかり言ってる。
ほんとうに残念そうな表情を向けてくるため、苦笑いを返すことしかできないのだけど。
「...まあいっか。未桜をこーんなにかわいくできたんだし」
ふふ、と頬を緩める悠莉に、私も感謝の気持ちを込めて、ふわりと微笑み返す。
「悠莉ありがとうっ」
「....えがおのハカイリョク、すご」
ボソボソとなにかを呟く悠莉を横目で見ながら、時計を確認すると午後1時30分。



