私の言葉に、安心したようにほっと頬を緩める悠莉。
....たしかに、こんなに長く一緒にいたのに一回も外してないからなあ。
そんなことを考えながら、瓶の底みたいな眼鏡を外してベッドの上に置く。
目元にかかった髪を耳元にかけて、たまたまポケットに入ってたアメピンでひとつにまとめた。
視界を覆うものがなくなって、すごくクリア。
なんだか全体的にいつもより軽く感じて、メガネがないだけでこんなに楽とは....と驚いていると。
「未桜は肌が白くて綺麗だから、フェイスパウダー軽くはたくだけでい───っえ、」
クリアな視界のなかで、悠莉のブラウンの瞳と瞳がぶつかる.....と。
なぜか、ビシリと固まって動かない悠莉。
ん?と首を傾げてみても、悠莉は目をまんまるく開いたまま、微動だにもしない。
「おーい、ゆうりさん~?」
顔の前でひらひらと手を振ると、はっ、としたような表情をつくって、ぐいっと顔を近づけてくる。
顔の上から下まで視線でなぞって、ぱちぱちと目をしばたかせて。
「.....、だれ?」
「はい....!?」



