「ん?わたしの顔になんかついてる?」
「いや、いつ見てもかわいいなあ、と」
「もう~~照れるじゃん」
悠莉はえへへ、とはにかんで、緩く巻いてある髪を持ち上げる。
そんな悠莉を見ていたら、ぽろり、こころのなかの言葉が口から溢れた。
「....私も、かわいくなりたい」
口に出して、はっとする。
おそるおそる隣をみると、ぽかんと口を開いて''おどろき''の表情を浮かべる悠莉。
「未桜が、そんなこと言ったのはじめて....!なに、桜雅君となにかあったの!?」
「....なにか、というか。最近、律くんのことが ....、その、すきだなあ、って思うことが増えて」
「むふふ、うんうん。それで可愛くなりたいと?」
「自分で、そばにいてもいいんだ...って、思えるようになりたい」
....と、突然訪れる沈黙。
「ゆ、悠莉さん....?」
そろりと顔を上げると、さっきの泣き顔とは正反対の、ぱぁぁぁっと口元をほころばせる悠莉。



