「俺も。あの''蒼唯社長''が未桜のお父さんとか、ほんとびっくりした」
「....私も最初は聞き間違いだと思ったよっ?
それで、あの....。お父さんから聞いたんだけど、律くん、今日のこともお父さんたちを説得してくれた、って」
「いや、説得ってほどのことはしてねーよ。元々、未桜のお父さんからは香山の情報もらったりハナシもしてもらったりしてた、し。....ま、未桜にはヒミツって言われてたけど」
....その''ハナシ''がすごく気になる...!
けど、聞いても教えてくれないような気がするなあ....。
「....ほんとうにありがとう、律くん」
「ん?」
温度を乗せて、こそりと囁いた。
こころからの''ありがとう''を呟けば、不思議そうな反応が返ってくる。
....律くんの、''ん''って反応、すき、かもしれない。
すっかり乙女思考な思考回路に、うぅ、とこころのなかで唸る。
「....律くんたち来てくれたとき、ほんとうに、ほっとして、安心したの。ぜんぶ律くんがいてくれたから、だよ」
''だから、ありがとう''そう付け足せば、スマホからぐ、と息を呑むような音がして、しばらく無言。



