無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる




1コール、2コール───そして、 3コール目


「....未桜?」


「っもしもし、律くん....!あの、寝てたりしてないですか....?」


「....まだ9時だから。余裕で起きてた」



ふは、って電話の向こうで軽く笑われて、テンパっている自分が恥ずかしくなる。


「そ、そう....だよね」


「つーか、寝てなくて大丈夫なの?微熱あったろ」


「帰ってきて寝たから、もう下がったよ。大丈夫....!」


「....ほんと?」


「ほ、ほんと!急に倒れたり、心配かけてごめんなさい....」


「....ん。未桜が平気ならいい」


労るようなやさしい声に、トクン....って高鳴る心臓。


....と、頬が緩みそうになるのを必死に抑えて、邪な感情は一旦置いて。



「───律くん、お父さんと連絡取ってくれてくれてた....こと、知らなかったよ」


伝えたかったことを口に出せば、あー....、と口ごもる律くん。


「勝手にごめん。湊からハナシ聞いて、もしかして....って」


「....謝らなくていいのに。お父さんから、律くんと会ったことあるって聞いてびっくりしたよ」