「....おとうさん、」
くい、とお父さんのスーツの裾を引っ張るり
邪魔してしまうみたいですこし後ろめたい....けど、どうしても伝えなければいけないことがある。
振り向いて、ん?と首を傾げるお父さんに、ふわりと微笑んで。
「────ありがとう」
''ありがとう''の内容が濃すぎて、シンプルな一言になってしまったけど。
私の突然の言葉に、お父さんは拍子抜け、みたいな表情を浮かべて、そのあとやさしく頭を撫でてくれた。
「....強くなったな、未桜」
「ふふっ、そうかな」
「未桜の笑った顔、莉子にそっくりだな」
「....お世辞ありがとう、お父さん」
────すべてが収束した、今日
◇
現在時刻午後9時。
お父さんたちとの話し合いも終えて、部屋のベッドでくつろぎタイム 。
「おきてる、よね....?」
スマホのメッセージアプリを開いて、無料通話ボタンをタップ。



