「未桜が8年前のことに向き合いたい、って思えたのは彼らの影響でしょ?」
「っ、うん。律くんたちのおかげ....だよ」
自然と緩む頬をのまま、笑顔をつくってお母さんに頷く。
「彼みたいなかっこいいナイトになら、未桜のこと任せてもいいかな....ってね。あら、ナイトじゃなくて未桜にとってはプリンスかしら~~?」
「.....まだ未桜には早いだろ。....まあ、約束も果たされたことだしな」
「?お父さん、約束ってなに....?」
ふん、とそっぽ向いていたお父さんは、すこしだけ寂しそうな表情のまま。
「''未桜のことを無事に家まで送り届けること''────っていう約束だよ」
「そ、そんな約束してたの....」
「当たり前だろ?未桜を渡すなら条件付きに決まってる」
.....さっき、律くんも同じようなことを言っていたような?
些細な偶然に、くすりと笑みがこぼれた。
「ほんとうは私たちが迎えに行きたかったんだけど、私たちも抜けられなくて」
「....?なにかあったの?」
「9年前と似たような方法で、榊組がベンチャー企業から不正融資を引き出してたんだよ。
確実に追い詰めるためにA&Iでも情報収集してたんだが....、以前よりも手口が巧妙でギリギリまで時間がかかってな」



