あ、でも....。 「たしかに怖い人たちですけど、なにが面倒くさいことになるんですか....?」 首を傾げて見つめると、桜雅くんは、重たそうに口を開いた。 ─────おまえが狙われるかもしれない、と *** 「ちゃんと掴んどけよ」 「....はい」 恥ずかしさを必死におさえて、桜雅くんの腰に手を回す。 背中越しに桜雅くんの体温が伝ってきて、熱が流れ込んでくるみたい。 ───────なぜ、こんなことになっているのか それは、先ほどの桜雅くんの一言からだった。