どうしたの?とふたりの方に視線を向けても、なぜかふいっとそらされる。
....と、静寂に包まれていた空間に軽やかな音楽が響いた。
「あ、おれだー」
誤魔化すみたいにふわ~っとゆるい笑みを浮かべた駿くんは、ジャンバーのポケットからスマホを取り出して耳に当てる。
「もしもーし....あ、到着した?りょーかい、ありがと」
10秒ほどの通話。
通話を切った駿くんは、律くんに目配せをするみたいにちいさく頷いて。
「警察、到着しましたー」
「っ、なんでサツが....!?」
「っオレは関係ない....!オレはただ、香山さんに頼まれたから協力しただけで....」
「中村.....っ、裏切るのかっ!?」
「オレは、なにもしてないから。サツに捕まるのはアンタだけで───「程度の低い言い合い、そこまでね」
制したのは、由良くん。
「中村さん、あんたにもやましいことあるはずだけど」
「オレ、はなにもしてない、なにも....っ」
壊れたようにふるふると首を横に振る中村さん。
由良くんは、そんな中村さんの上着を捲って─────
「───例えば、違法なクスリ、とか」
腕にある無数の注射痕を指差して、ゆっくりと目を細める。



