「....逃がすわけねーだろ、中村」
「っ~は、なせっ」
意識を取り戻した中村さんが、逃走を図ろうとしたところを冬哉くんが捕える。
さっきまでの威勢は消えてしまったかのような、唇を噛み締めて怯えているような表情。
....このひとに、言いたいことがある。
「中村さん、」
冬哉くんに脇腹を殴られて再びうずくまっている彼に、一歩近づいた。
見上げる瞳、見下ろす私────さっきとは全く逆の状況、で
「あなたは、さっき律くんたちのことを''マヌケ''って笑っていましたけど。
.....私たちとあなた。───マヌケなの、どっちでしょうね?」
くすり、と口角をあげて笑ってみせた。
さっきは反抗できなかったけど、今の状況なら....って、すこし強がった態度を取ってみたのだ。
「....みおちゃんこえー」
「敬語が尚更、ね。ブラックみーちゃんだあ」
後ろから、駿くんと湊くんのそんな聞こえた....のは気のせい?



