「香山さんー。あんま傷つけると売り物になんないすよ?」
''売り物''という言葉に、ゾクッとする。
このひとたちは、私のことを''売り物''としか見ていないんだと、身を持って実感したような。
「ま、それもそうだな」
納得したような顔をして立ち上がる香山に、あの、とにこにこ顔で近づいてくる中村さん。
....ああ、イヤな予感がする。
「ウラに売る前に、服脱がして写真撮るんですよね。その役目、オレに任せてくれません?」
「お前に?」
「オレ、この前スマホ新しくしたばっかなんで画質イイですよ~~?
....って、その子意外とイイ身体してたんで。協力のお礼ってことで、一回くらい好きにしていーすか?」
「....は、お前も大概ゲスだな」
「香山さんに言われたくないですけどね、」
軽やかな会話。
その中身は、あまりにも非道でクズだ。
「俺も混ざろうか。グチャグチャに傷つけてやりてーし。俺にヤられたなんて、最高の脅し材料じゃね?」
「うわ、こわいっすね」