「倉庫から帰るとき、僕いちおうと思ってみーちゃんのおとうさんの名前聞いといたの。.....で、その名前がどっかで聞いたことあるなあって、ずっと考えてた」


「....名前?」


ふ、と、電話の向こうで深く息を吸う音がして、告げられた。




「みーちゃんのおとうさん─────.....なんじゃない?」






いつの間にか降っていたらしい雨が、ゆっくりと地に落ちていく。


弾けて消える、小さな透明の雫。


....ふと、未桜の泣き顔が脳裏によぎった。