『お父さんの部屋で、みたの』
....未桜はお父さんと話してみる、と言っていたけど、体調が悪いならそれも難しいだろう。
久しぶりに学校に行った今日。
未桜が休みだったことに密かにショックを受けていた俺に、ニンヤリと含み笑いを浮かべた岬が近づいてきた。
『未桜はねえ、いっかい風邪引くと治るのに4日はかかるんだ~~。.....ザンネンだね、桜雅君』
『....4日もかかんの?』
『そういう体質なの、未桜は。....ふふ、寂しいでしょ?だいすきな未桜に会えないもんね』
岬相手に素直に頷くのは癪だったから、無視してやったけど。
ほぼ無意識に、気づいたら隣の席に意識を向けている自分にも呆れていた。
【ごめんなさい、風邪を引いてしまいました。お父さんとは、体調がよくなったら必ずお話します】
....ほんと、呆れてるんだよ。
未桜はどんな気持ちでこのメッセージを打ったんだろ、なんて考え始めたらダメだった。
未桜が俺に敬語を使うのは、照れている時と────自分を追い詰めている時だから



