【悠莉さん、慰めてくれなくて大丈夫です】
危うく騙されるところだった。
律くんのことになると、私はすぐカンチガイしたがる、というか実際にカンチガイしてしまうのだ。
【はーい、ぜったいそう言うと思った!!.....なので、証拠を用意しました~~!】
うさぎのグッとスタンプと同時に送られてきた───一枚の画像
窓の隙間から差す光が、黒髪に淡く反射している。
机に肘をついて、ぼうっと窓の方.....というか、隣を、見ている。
その眼差しは、どこか哀愁漂っていて、悲しそう、というか.....さびしそう。
「律くんっ?」
その写真に映る人物は、どこからどう見ても律くんだ。
見間違い....?と、画像をタップして写真を拡大しても、やっぱり律くん。
うそ、ほんとうに....?
こんなカオをして、隣を見ていたの?
すこしでも、私がいなくてさびしい....って、思ってくれたの?
「....っ、」
ぎゅうっ、と胸をゆるく掴まれたみたいに、心臓に柔い痺れが走る。
ふにゃ、と緩む頬は、自分のこころに正直だ。
いまだけ、いまだけでいいから....、都合のいい解釈をしてもいいかな。



