『未桜はただ、俺を信じてればいい』


.....私には、受け入れることしか出来ないから。



「じゃあ悠莉ちゃんはおれが送ってくね」


「え、わたしも送ってくれるの?」


「はは、悠莉ちゃんかわいーし。危ないでしょ。

.....冬哉、しっかり守れよ」


冬哉くんの耳元でなにかをぼそっと囁いた駿くんは、私の頭をぽんと撫でて。



「未桜ちゃん、冬哉から離れちゃだめだよ」


へらっとした顔とは裏腹に、真剣な声色。


「うん、」


こくんと頷くと、駿くんはいつものゆるっとした笑みを残して行ってしまった。







「と、冬哉くん.....」


「ん?」


お店から10分ほど歩いたところ。


あとすこしで繁華街を抜ける───ところで、ひとつの違和感に気づいた。



「つけられて、ませんか.....?」


背後から感じる視線と、妙な気配。


ぴた、と足を止めてみれば、後ろの方の足音も止まる。


これは、ほんとうに尾行されている?