というか、ぜんぶって、メニューに載ってるものぜんぶってこと....?


「(どれだけ甘いもの好きなの、冬哉くん.....)」


思わず、くすりと笑みがこぼれる。


お人形さんみたいな綺麗な顔にクールな性格で、甘いものが好きっていうギャップ。


こういう所に女の子は惹かれるのかな、なんて考えていると。



「お客様。ご注文はお決まりですか?」



店内をうろついていた店員さんが、私たちのテーブルの前に止まった。


決まっていたらしい悠莉と駿くんが注文を終えて、店員さんの視線が私と冬哉くんに移って。


「えっと....」



冬哉くん決まったかな....?


冬哉くんは、特定のメニューのページを行き来していて、あ、と気づく。


大きく張り出されたふたつのメニュー。


多分、このふたつで迷ってるんだ。



「....季節限定のマロンパンケーキで」



そのうちのひとつを注文すると、すこしだけ物足りなさそうな表情の冬哉くん。


甘いものが関わると、冬哉くんわかりやすい....!