「え、なんでふたりがっ?」
「ん、んー.....でも、明らかに未桜のこと待ってる感じだよ?」
「や、やっぱり.....?」
そろり、と控えめに視線を向けてみると、駿くんにひらひらと手を振られる。
そして隣の冬哉くんと目があって、くい、と顎で合図をされて。
''こっち来い''───たぶん、そういう合図
「ごめん。ちょっと行ってきてもいいかな....?」
「イケメンふたりからの待ち伏せなんて、いいご身分だこと.....なんてね。いってらっしゃ~い」
「いってきます、?」
目立たないように、そろりそろりと忍び足でふたりの元に向かう。
....もう、手遅れかもしれないけど。
「は、なにあの地味チャン。冬哉くんと駿くん待たせてるとか何様だよ」
「何年だろ~~、写真撮っとく?」
ひい、と心のなかで悲鳴を上げる。
こわいこわいこわいこわい.....!!
「ふたりとも、こっち.....っ」
もう、なんで律くん含めこのひとたちは、こんなに堂々としてるの。
自分の人気を自覚してほしい、切実に。



