無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる




ふにゃりと、頬が緩む。


やさしい彼女のおかげで、すこしだけ吹っ切れたような気がする。



「ありがとう。元気でた.....!」


「えへ、うん。ほら、じゃあ行くよ~!」


「え、どこに?」


「スタミナつけるの。甘いものたべにいこう~」



悠莉に手を引かれるまま、教室を出た。


.....もう、強引だなあ。


だけど、悠莉のそういう所に私はいつも救われている。



「繁華街の方に、新しいパンケーキ屋さんがオープンしたんだって」


「パンケーキかあ。ふふっ、口にだしたら食べたくなるね」



なんて話をしながら、ローファーに履き替えて正門に差し掛かったとき。




「あっ、いたいた。みおちゃ~~ん」


「おい、でけえ声出すな目立つ」




聞き覚えのある声で、名前を呼ばれて。


顔を上げた先────門に寄りかかる駿くんと冬哉くんのすがた