寝顔なんて、ぜったいブサイク....普段の3割増しでひどいって、テレビやっていたような。
「是非わすれてください....」
「ムリ。あんなの忘れらんない」
あ、あんなの.....。
どれだけひどい顔を晒したの私。
「目と口半開きだった」
「っうそ!.....さいあくだ、」
その自分の姿を想像するだけで、身震いしてしまう。
....そんなにひどい顔、律くんには見られたくなかった....なんて。
後悔先に絶たず、とはまさにこのことだ。
「くくっ、ほんとに百面相」
消沈する私に、律くんはクスクス笑って、ご機嫌取りみたいに頭を撫でてくる。
むっと頬を膨らませながら、隣から睨み付けると。
「ウソ」
「へ、うそ.....?」
目を丸くしながら律くんを見ると、ドキッとした。
思ったよりも近い距離と、至近距離で見る端正な顔は、心臓にわるい。



