律くんのこんなカオを見られるのは、''カノジョ'' の特権?
やさしい瞳を向けてくれるのも、無防備な部分を見せてくれるのも、彼女だから?
.....それとも、私、だから....?
「うぅ.....っ、」
「さっきから情緒不安定。うなりすぎ」
はっとした。
一瞬でも、なにを考えてるんだろう。
私の不注意で、律くんに迷惑をかけて、律くんはやさしいから''彼女''という形で守ってくれているだけ。
その事実は、ぜったいに変わらないのに。
私がトクベツ.....なんて、おこがましいにも程がある。
....と、律くんに頬をつんつん、と指でつつかれた。
「寝てるときはおとなしかったのにな」
ふっと片方の口角をあげる律くんに、ぎょっと目を見開いた。
ま、まさか.....っ。
「寝てるとき.....って。もしかして、ね、寝顔みたのっ!?」
「無防備なお前がわるい」
即答な律くん。
なんでうたた寝なんかしたの自分.....!
昨日の夜と、朝.....二回も見られちゃったんだ。



