ふかふかのベッドに横になって、顔は横に向けている。


ふわっとした甘いムスクの香りに、つられるように目を開ければ。



「ぅ、え......っ、あ、」


私はすっぽりと律くんの胸に収まるような体勢で、右手は律くんのスウェットを掴んでいて。


───ずっと、抱きついてた.....?


理解した瞬間、絡めていた腕をぱっと解いて、勢いよくぐるんと顔を反対側に向けた。


沸騰するみたいに、顔があつい。



「ほ、ほんとにごめんな.....、っぇ」



か細く呟けば、突然。


首に回された腕に、ぎゅっと後ろから抱きしめられた。


え.....っと、なんで....?


いまいち状況が掴めず、がちごちに固まっていると。


ひゅっ、と耳にかけられた吐息。



「ひ.....っ、」


「さっきから謝ってばっか。....俺、おはようって言ってんだけど」


''ほら、こっち向け''


ビクリと肩を浮かせた私に、律くんがそっと囁いた。



っずるい、こんなの.....。


逆らえるわけ、ないのに。


ゆっくりと顔を左に向ければ、柔らかく細められた瞳と交わった。


なんで、そんなにやさしい瞳で見るの....?