がらにもなく、頬が熱を帯びる。
.....''触れたくなる''なんて、あり得ない。
あやふやなものを誤魔化すように、鳴り続ける時計台の方へと視線を移す。
「あ、」
時刻が指すのは、23時2分。
毎年、決まった日、決まった時間に送られてくるメッセージのせいで、覚えてしまった。
「どうかしましたか.....?」
「....や、」
言ったら、お前はどんな反応をする?
さっきは自分で晴の言葉を遮ったくせに、欲してるなんてばからしいけど。
「誕生日なんだよ。きょう、俺の」
ぽつりと呟けば、キョトンとした表情の彼女。
一秒、二秒────沈黙が続いて、三秒後
「た、誕生日っ....!おめでとうございます....っ」
ぱあっと表情をほころばせて、ふわりとした笑みを浮かべた。
「....ありがと」
なんとなく、そう言ってくれるだろうなって思ってた。
────わかってて、欲しがった



