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「......、わかんねえんだよ」
精神的な弱さなんて、とっくに捨ててるはずだった。
なのになんで今さら、こんな気持ちになる?
どれだけ考えたところで、答えらしい答えが見つからない。
「(俺、なにしてんだろ.....)」
は、と乾いた声が漏れる。
さっき会ったばかりの女に助けられて、意味わかんねえことばっか溢して。
「あー....ごめん。わすれ、っ、」
''ごめん、わすれて''
その言葉は、温もりに遮られた。
頬に当てられた''それ''は、さっきまで俺が握っていたもの。
「へんなことしてごめんなさいっ。....あまりにも辛そうな顔、してたので....」
女はハの字に眉を下げて、きゅっと唇を結ぶ。
「辛そう...って、俺が?」
「....はい。辛そうで、すごく──」
目を見開いた俺を、真っ直ぐと見据えながら、放たれた声は。
「寂しそう、です」
芯があって、どこか柔らかい声色だった。



