顔を逸らす俺に、晴は困ったように笑った。
どこまでも情けなくて、弱い自分。
隠して、取り繕って、逃げてばっか。
....心配かけてるの、わかってんのに。
ひゅう、とすきま風が頬にかかる。
触れた部分が冷たくなって、ひり、と痺れて。
──痛い
「........、」
「律様?」
立ち止まった俺に、晴が振り向く。
「歩いて帰るわ。そんなに遅くなんないから」
唐突に蘇ったのは、虚無感。
どこの部分の隙間が埋まらないのか、自分でもわからない。
なにが足りないのか、わからない。
『帰れなくてごめんね。──……だからね、律』
もう、思い出せない。



