どれだけ''ふつう''を望んでも、それが叶うことはなかった。
心が冷えていく感覚。
周囲からの期待、将来の為のベンキョウも、別に苦ではなかったのに。
周りから一線を引かれるたび、『おまえはひとりぼっち』なのだと、突きつけられるみたいで.....痛かった。
いまよりもずっとガキで、未熟だった自分には。
俺は''桜雅''の人間だから、仕方ない。
そうやって、割りきることしかできなかった。
「....ま。律様!」
「っ、わるい」
聞き覚えのある声で、はっと意識が戻る。
腕時計に視線をやれば、時刻は22時。
パーティーの終了時間。
「すこし顔色が悪いようですが、体調は──」
「いや、大丈夫」
エレベーターでエントランスまで降りている途中。
心配そうに首を傾げる晴に、そう答えれば、晴はなにかを思い出したように眉を下げた。
晴は12月17日、と呟いて。
「律様──」
「ああ、うん。ありがと」
わざと、遮った。



