「....り、....ん」


「りん?」


呟きに視線を落とせば、へら~っと頬を緩ませた未桜。


....どんな夢見てんだか。



「ふっ、あほ面....」


目にかかっていた髪を横に払えば、未桜は小さく笑って、無意識か指にすり寄ってくる。


.....破壊力、やば。


その瞬間、ドク、と脈が打って、思わず視線をそらす。


けどやっぱり見ていたくて、視線を戻す。


甘えるように頬を擦り付けて、ふにゃりとした笑みを浮かべる未桜。


──その笑顔が、重なった




『──それなら、よかったです』



温かい体温、真っ赤な頬、やさしい表情


大切に閉まいこんだ、あたたかい記憶