「え、律くん顔赤い....!ドライヤーの風熱かった?」


「っ、見んな」



未桜の顔を手で覆うと、胸に押し付ける。



「っうぇ、苦しい.... 」



仕返しのつもりが、逆に返り討ちにされた気分。


しかも相手は無自覚、尚更タチ悪い。



「ばーーーか」


「わぁ.....っ、ちょっと律くんっ!?」


八つ当たりのつもりで、未桜の髪をわしゃわしゃと撫でた。



「うー、なんで不機嫌なの律くん.....」


「未桜があまりにもばかだから」


「り、律くんよりはばかだけど!そんなにばかじゃない.....!」



む、と頬を膨らませて、上目遣いで睨む。



.....だから、そういうところが、ばかなんだよ。


──かわいすぎて、タチ悪い



「.....、ちょっと風呂入ってくる」


「う、うん?あ、部屋からは出ないから....!」



理性と欲望が混ざって、おかしくなりそうだった。


押し倒してめちゃくちゃに....なんて、やばいだろ。


....冷水でも浴びて、頭冷やそ。


ため息をつきながら、部屋を出た。