誤魔化すように未桜の頭に手を伸ばせば、つう、と手に雫が伝う感触。
「あ、ごめん律くん!髪濡れてて....」
「そうだったな。これ、ドライヤー」
「ありがとう....!」
にこっとやわらかい笑顔を浮かべる未桜。
.....直視、できねえ。
どことなく視線をそらす俺に、未桜は不思議そうな顔をする。
こんなに整った容姿してんのに無自覚とか、どういうこと?
「(くそ、....鈍感ばかオンナ)」
さっきから未桜にペース乱されてばっかりで、気にくわないから。
「やっぱそれ貸して」
「え、なんでっ?」
未桜の手からドライヤーを奪い、その手を引いてベットへと移動する。
「俺が乾かしてあげる」
────仕返し、な



