「おーい、入ってもいい~?」
「今入ったら、目えぐり取る」
「....ええ、こわーいっ」
低い声で威嚇しても、こいつには通用しないことくらいわかってる。
「30秒目を閉じてろ。破ったら、目えぐり取る」
「....なになに、未桜ちゃんと''お楽しみ中''だった?」
「....うっせ。早く目瞑れ」
「あは、図星?....りょーかいでーす」
未桜を背中に隠したまま、ドアを開ける。
そこには、目を手のひらで覆う駿の姿。
「未桜、こっち」
「わっ、律くん....!?」
未桜の手を引いて、奥の部屋へと移動する。
ポケットから鍵を取り出して、鍵口に差し込んだ。
───ガチャッ、という音で開くドア
......ここまで来れば、誰にも見られることはない。
内側から鍵を閉め、はぁ、とため息をついていると、クイ、と裾を引かれる。
「あの、律くん。ここはどこ....?」
意味不明、という表情の未桜。



