「ちょっと隠れてろ」
「ええ、な、なんでっ!?」
戸惑う未桜の腕を引っ張って、背中に隠す。
「おーい、みおちゃん、律。風呂空いた~?」
トントン、というノック音の後に聞こえた能天気な声。
.....くそ、駿か。
「しゅ、駿くんだよ?なんで隠れるの....?」
「........、さーな」
俺のぼかしたような言い方に、眉を寄せる未桜。
.....隠したい理由なんて、ひとつだろ。
お前のヒミツは、俺だけが知ってればい。
「(俺以外に、見せたくないからだよ。ばーか)」
どうせ、口にだしても伝わらない。
こんな身勝手な独占欲、お前はぜんぜん一ミリも気づいてないから。



