無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる




首を傾げた拍子に、腰近くまである栗色の髪がさらりと揺れる。


透明感のある真っ白な肌に、片手で掴めそうなくらい小さな顔。


くっきりと二重を描いたガラス玉みたいな瞳、影をつくるほど長い睫毛。


スッと通った鼻筋、潤ったピンク色の小さな唇。


....思わず見惚れてしまうほどの、キレイな顔立ち。




「......ずる」



メガネの下に───こんなヒミツ隠してたとか、聞いてない


普段の姿とのギャップ、ありすぎるだろ。


.....まあ、普段から可愛いけど。


「り、律くん。....あの、ドライヤー借りてもいい....?」


「っ、ああ」



未桜の声で、はっと我に返る。


持ってきたドライヤーを未桜に渡そうとすると、階段を上ってくる足音が聞こえた気がした。