その途端、律くんはポーカーフェイスをにやりとした笑みに変えて、じっと視線を合わせてくる。
「────今日、泊まって」
「........、はい?」
「そしたら、ゆるす」
マヌケな声。
止まれ、留まれ、停まれ......泊まれ?
言われたことを頭のなかで繰り返して、意味を理解────できない!!
「泊まるって、宿泊の意味の泊まる....?」
「そーじゃない?」
「っええ!?と、泊まる.....って、ここに?」
たしかに、立派な個室もベッドもあったけど....って、そういことじゃなくて!
「むり、むり....!家族になにも言ってないし....」
思いっきり首を横に振った、そのとき。
──ブーッ、ブーッ