「──未桜ちゃんの初デート。冬哉にとられちゃったからねえ」


にやり、薄笑いを浮かべる駿くんの言葉に、私は目を丸くする。


「デート....、してないよ?」


「ゴカイ招くような言い方してんじゃねーよ。プリン買いに付き合ってもらっただけだっつーの」


私と冬哉くんが否定するけど、駿くんの口角は上がっていくばかり。



「ええ、アヤシイ。浮気はダメだよ~、律死んじゃう」


「うわき....、」


根本的から違う.....!


私と律くんはそもそもニセモノの恋人だし....って。


その言い方だと、私が冬哉くんと出かけたから、律くんが怒っているみたい。



「ほら、駿からかうのもそこまで。律が殺気立ってるから」


「あはは~、オトコ嫉妬は醜いぞー」