気をつけろって....由良くんに?
「 俺にまで嫉妬とか、末期だよ律」
「....うっせ」
「──うるせえのはお前らだよ」
地を這うような低音に顔をあげれば──冷酷ジョウタイの冬哉くんが、睨みをきかせている。
「イチャイチャすんなら、他所でやれ他所で。鬱陶しい」
「っい....!?してない....!!」
このバックハグ状態じゃあ、説得力ないけど.....。
冬哉くんはふかーいため息をつきながら、目を擦っている。
「チッ....完全に目ぇ覚めた」
うわぁ....機嫌がよろしくない。
──と、次の瞬間。
「いつものは冷蔵庫にあるから」
「.....あぁ」
由良くんの言葉に、冬哉くんの表情が途端にやわらかくなった気がした。



