「おー。ほんとに30分以内に来た。未桜ちゃんあんま準備とか時間かからなそーだもんね。まあ予想どーりかな」


「駿くん、それは貶してる?」



「駿は思ったこと素直に言い過ぎ。もっとオブラートに、だよ!」


「湊くん、それはフォローなのかな?」



『遅れたら....わかるよな?』という律くんの機嫌を損ねたくない一心で。


ほんっとうに急いで支度をして、ほんっとうに急いで倉庫までの道のりを走った。



さっきスマホで調べたら、きょうの最高気温30℃。



そりやあ、もう....めちゃくちゃ。



──も の す ご く 、あ つ い



炎天下のなかダッシュして火照った身体には、クーラーは一番のトッコウヤク。


入り口から、ペコペコ頭を下げてくれる下っぱしさんに、私も同じものを返して。



時間ギリギリで、幹部室へと滑り込んだ。



....のに。