律くんは、ひとをからかうのが上手。


そんな微笑みを向けられながら、そんな甘いセリフを囁かれたら。



冗談だと、わかっていても。



──「(こうなるから......っ)」



かぁぁぁっ、と頬が急速に熱をもって、その熱はやがて全身へとまわる。


抜けだそうとも、抱きしめられているから無理だし。



だから、顔を隠すには、もう────



ぎゅぅっと強く抱きついて、律くんの胸に顔をうずめた。


こんなの、普段ならぜったい出来ないこと。



「っ、はぁー.....」


「う、そんなため息つかなくても....」



私にくっつかれるのは、そんなに嫌なんですか....。


でも、抱きつけって言ったのは律くんなのに.....!