「へ......、」


まるで、抱きしめる前みたいなポーズ。


ちょ、ちょっと意味が....。


私律くんは片方の口角だけを上げて、少しだけ首を傾げる。



「尊には抱きつけて、俺には出来ないの?」


や、やっぱりハグ.....!


固まったまま動かない私に、不機嫌そうな律くん。


「だって尊ちゃんは女の子で、可愛くて....」


「俺はおまえの彼氏だけど」


即答の律くんに、うっ....と言葉がつまる。


このポーズからして、多分、私から抱きつけということ、でしょうか....?


っむ、むり.....!!


死ぬほど恥ずかしいし、自分からなんて想像もてきない────はず、なのに


「ほーら、早く」



────律くんの囁きには、どうしても、逆らえない


覚悟を決めて、律くんの胸に飛び込んだ。