「尊ちゃんっ、今日はありがとう！ばいばい...！」
「未桜さん、ぜったいぜったい今度遊びに行きましょうね！！....ふたりで」
ドアがしまるギリギリ。
可愛らしく手をふってくれる尊ちゃんに、笑って頷きながら手をふり返した。
.....のは、いいんだけど。
「り、律くん、顔こわいよ？」
「......」
なぜか律くんは、ムスッとご立腹。
今だに手を離してもらえないまま、長い廊下を進んでいく。
「あのぉ、律くん....？」
沈黙に耐えきれなくて、律くんの裾をつかんでひき止めたら。
ジリジリ距離をつめられて、気づいたら背中に壁の感触。
───え？
